Clash
『ぶっ壊しちまえばいい』
と、頭の中で俺が囁いた。
『愛してるモノを?』
と、頭の中で俺が囁いた。
『愛してるから消えてくれ』
『母さん、母さん、母さん!』
『いちいち泣くなよ、いい年して』
『柘榴が見たいなぁ。頭から真っ二つ!』
『偽善的な愛なんざ唾吐きかけてやんよ!』
『誰も分かってくれない。解りっこない!』
『愛されたい。誰が甘やかしてよ』
「テメェらちょっと黙りやがれ!」
叫んだところで静かになった。脳みそは俄然前後に揺れたまま、その振動で視界がグラグラしている。
俺の上で腰を振っていた女が訝しげに目を丸くした。
「何よ」
「違ぇよ、お前に言ったんじゃねぇって」
「あたし以外に誰がいんのよ」
完全に気を悪くした女は、止めていた腰をもう一度振り始めた。
「ちゃんと集中……してよね……っ」
先ほどの頭の中でのイザコザの中で萎えかけたペニスは、再び硬度を増そうとしていた。
手を伸ばしてみる。女の反った首筋にまとわりつく。グッと絞めてみる。硬度は増す。
「ああ、これ、いい」
女は漏らすような吐息混じりの声でうっとりと呟いた。また絞めてみる。白く柔らかでしっとりと馴染む肌に指先が食い込む。硬度は更に増す。
「いい、いい、あぁ、いい」
女のリズムに合わせて響く粘液の音。指先から伝わる女の心音。熔けてしまいそうになる。このまま、女の母胎へと。
気付くと女はぐったりと横たわっていた。俺は彼女の中で吐精していたらしい。白い肌の女は蒼白くなっていた。
頭は未だにグラグラしていたけれど、もう誰も喋りかけては来なかった。