カフェテリア


「世界はぐるぐる回ってるのに、何も知らないような顔をして人は歩く。くだらねぇ。」

「俺も、お前も、アイツも!」

「立ち止まってる暇なんてねぇから、折れた足引きずってでも歩くしかねぇのに」

「ざわざわざわざわうるせぇんだよ」

「どいつもこいつも、昼間は何もない顔ばっか。作りもんじゃねーかよ」

「中身は空っぽなんだよ。どいつもこいつも、てめーのことしか考えてねぇの。そのニーズに合わせてる奴らは死ぬしかねぇんだよ」

「うるせぇうるせぇ黙れって!何回も言いたくなるのを必死で我慢してる」

「枠を嫌悪してるくせに、枠の中に納まってねぇとあんしんできねぇんだよ」

「解ってる。こんなことガタガタ抜かしてる俺がくだらねぇことくらい。」

「愛してる。だから愛してるんだって!だからイライラするわけ」





 男はそう言って、冷め切ったカフェオレに初めて口をつけたのだった。



「甘すぎるのがお好みかい?」

END